“映画226″(1989年)の遺言!!-野中四郎(萩原健一)-英霊達の最期!!-Death of “Shiro Nonaka” of “THE FOUR DAYS OF SNOW AND BLOOD”!!

-野中大尉の遺書-
映画226では
遺書の一部が
抜粋され其のまま
引用されている。
以下原文のママ。

"千住明”(せんじゅあきら)氏の
凄味のある音楽
と共に現代そして
未来へと引き継いでゆきたい
作品である。

「(前略)-美保子
大変世話ニナリマシタ
貴女ハ過分無上ノ妻デシタ
然ルニ 此ノ仕末
御怒り御尤モデス
何トモ申シ訳アリマセン
保子モ可愛想デス カタミニ愛シテ
ヤツテ下サイ
"天壌無窮
陸軍大尉 野中四郎"
(後略)」
" "欄は映画作品のみ
-------------
-現代語翻訳-
美保子
たいへんお世話になりました
あなたは過分無上※の妻でした
然るに この仕末
お怒りごもっともです 
保子(やすこ)も可愛想です 形見に
愛して
やって下さい
”天壌無窮(てんじょうむきゅう)※
陸軍大尉 野中四郎"

※"過分無上"とは?
過分:身分不相応。
分を過ぎていること。
強い謙虚な思いと感謝を表す場合に用いる。
無上:この上もないこと。
最もすぐれていること。
また、そのさま。最上であることを意味する。
つまり遺書での"過分無上"とは
自分に不相応なほど
この上もなく優れ最上の"妻"であると、
僅か4文字の漢字で自分の
"至誠"の総てを妻にお伝えしている。
※”天壌無窮(てんじょうむきゅう)とは?
"永遠"を意味する。天地とともに
永遠に極まりなく続く様。

-野中四郎遺書全文-
実父勝明に対し何とも申し訳なし。
老来益々御心痛相掛け罪。
万死に値す。
養父類三郎、
義母ツネ子に対し嫡男としての努めを果さず不幸の罪重大なり。
俯して拝謝す。
妻子は勝手乍ら宜しく御頼み致します。
美保子大変世話になりました。
貴女は過分無上の妻でした。
然るに此の始末御怒り御尤もです。
何とも申し訳ありません。
保子も可哀想です。
かたみに愛してやって下さい。
井出大佐殿に御願いして置きました。

↑野中大尉の綴られた直筆の遺書

-映像編集に関して-
映画226の
ラストシーンを編集
する過程において、
最も気を配ったのは
音声となった。

映画から音声のみを
一旦抽出し外部
アナログ真空管
コンプレッサー(音声圧縮装置)
英国製Drawmer 1960を介し
経由したアナログ音声を
動画編集ソフト
へインポートしたのち
映像と完全に同期したものとなる。

音声に関しては当時の
映画のままであり、
一切ノイズ
リダクション(ノイズ除去)
は一切として用いず、
可能な限り原音に忠実に、
どんな些細な
音でも可能な限り聞き取れる
ように配慮したつもりである。

また動画最後の"安藤輝三"の
遺書に関して述べれば
独自にリバーブ(反響音)
を付け加えたのみ、となる。
音声全般的において、
映画元来のテープの
ヒスノイズが過分に
大きくなったかに見え、
その旨ご了承頂きたい。

-映画226について-
日本が昭和から平成に
改元された直後に公開された
"226"(1989年)は、
久しぶりに二・二六事件を
本格的にとりあげた大作として
注目された。

しかしながら映画"226"では
青年将校たちが決起するという筋書きに対して、
"226"事件がいったいどういうものか
よく知らない視聴者にとっては
登場人物達の動機すらほとんど
描かれてはいなかったため
難解な映画となってしまった。

登場人物は史実に基づき
総てが実名であるものの、
名前が劇中ではテロップなどで明示もされないため、
事件についての基本的な(予備)知識がないと
大変分かり難いものとなってしまったのだ。

しかしながら映画評論家の
"筈見有弘"に言わせれば、
-この映画にとってはそれはどうでもいいことなのである-と
当時の"226"映画のパンフレットに記されている。

また筈見氏は続けてこうも評してくれた。
-かつてこのように国を憂い、
このように行動した青年群像があったという事実を、
余分なものを切りそいで、
一直線につたえようとしているのだ。
昭和維新を夢見、その純真な心、
一直線な行動。
そのことの是非はさておいて、
今日、失われてしまったダンディな精神と行動がここにはある-と。

2022年現在。
この私にとっても
今も昔も同じ思いを抱いている。

本作である映画"226"では青年将校たちの
"純真な心と一直線な行動"を強調している。

私はこの映画の
男優、女優、
すべての俳優達の
その一途な瞳と
その演技に強く心打たれた。

それぞれ各々が各自
ひとりひとりが"226"という
事件や英霊達を
真摯に受け止めてくれていると。

本作においての
武器や戦車や軍服のリアリティは
私にとって重要視してはいない。

彼らと恋人や家族との別離の
場面が数多くみられた。

脚本を手がけた
笠原和夫氏としては、
こうした作品になったことについて後年、
不満があったご様子ではあった。

そもそも笠原氏は前出の
"日本暗殺秘録"をはじめとして
"仁義なき戦い"や"二百三高地"
"大日本帝国"など多くの実録物を手がけ
成功している著名な脚本家である。

226事件を題材としながらも
“愛情映画”になって"しまった"のは
製作した松竹の社風も
影響していたことであろうか。

これが笠原脚本の実録作品を
多く世に送り出していた””東映""であれば、
間違いなく違ったものになったに違いない。

ただしリアルさだけを
強調しただけならば
ひとの心をほんとうに
揺さぶる訳では決して
ない。

それはいつの時代も同じだ。

"226"においてはその筋立てはどうあれ、
キャスティングは極めて
それは豪華なものとなった。

事実上の主役といえる
野中四郎大尉を萩原健一が演じ、
青年将校には三浦友和・本木雅弘・
竹中直人(磯部浅一の生まれ変わり!
と思うほどの適役)
・加藤昌也・佐野史郎・宅間伸など
当時の中堅若手俳優が揃うと共に、
鎮圧する側に立った軍人や重臣を
金子信雄・高松英郎・仲代達也・
渡瀬恒彦・松方弘樹・加藤武・長門裕之などの
大物が演じた。

かつて"叛乱"(はんらん)や
"陸海軍流血史"で
反乱軍側の人物を演じた丹波哲郎が、
ここでは青年将校の
命運を左右することとなった
真崎甚三郎大将を演じるなど、
二・二六映画の総決算であるといっても
過言ではないほどの凄味のあるキャスト陣営たち。

尚、本作では監修を、
事件で牧野伸顕の襲撃に失敗したのち
自決した河野寿大尉の兄・河野司が担当し、
劇中にも根津甚八と本木雅弘演じる
河野兄弟が登場するのが他
作品と比べ非凡なものとなったことも見逃せない。

2022年。

21世紀に入り、
二・二六事件の識者による其の研究は、
新資料の公開(海軍特A資料の発見)等もあって急速に進み、
事件の実像もかなりくわしくあきらかとなってきた。

かつての青年将校たちに対しては、
その"無計画性・非現実性"を指摘する
論調(世論)が強かったものの、
その後の研究により、彼らはかなり綿密な
クーデター政権奪取計画を企てていたことが判明した。

その計画はそれにいち早く気づいた
内大臣秘書官長の木戸幸一が、
昭和天皇に反乱軍の鎮圧を強く訴えたため
結果的に実現にはいたらなかったのだ。
もしも木戸の働きがなければ、
青年将校の構想が実現する可能性はきわめて
高かったとする見方すらある。

"NHK"ならびに
他局報道機関、
"筒井清忠著"二・二六事件とその時代"
ちくま学芸文庫等による
近年の研究からもその真実は明白になりつつある。

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