切なくも美しく・そして儚くも・・その透き通るような知性が迸(みなぎ)る日本語はあまりにも美しかった!!-第169回芥川賞受賞-”ハンチバック”-“市川沙央”著作

Hunchback・・・。
背骨が弓のように大きく曲がり、
そうした人のこと。
等身大のそんな女性が描かれた。

この記事は既に
読後の方であれば問題ありませんが、
これから読む方にとっては
内容(所謂ネタ)に触れています。
ご注意してください。

旧友の勧めで
"ハンチング"
(ハンチバック)を読んだ。

イントロとエンディングは
冗長してる感な箇所あったが、
中身は強烈であった!
しかしながら、WEB関連や
ITに触れる箇所は21世紀の
"今"に触れている。
※WordPressのWEBサイト運営等、
個人的には"棄て垢"や"スプーフィング"
(なりすまし)など全く興味はないが、
そうしたWEBCloudの"実態"に触れて
いる点も真新しく新鮮さがある。

大昔に読んだ村上龍の
"限りなく透明に近いブルー"や
田中康夫の"なんとなく、クリスタル"
の芥川賞なんかよりずっと鮮烈で
作者の知性が迸る作品!

うむを謂わせん
説得力というか。
リアリティ。

そのむかし
重度障害の男性と呑みに
行く機会が結構あったが、
書中での性の問題は極めて
"当事者"の切実な思いが込められ
"胸に迫る"説得力がありました。

しかし、
これは読む者を選ぶ!。

しかし、個人的には
文科(文部科学省)が
推薦図書にすべきかなと
ガッコウ教育関連に身を置く
自分は素直に思えます。

1億5千萬な小切手支払いと
誤嚥性肺炎のリスクすら
厭わぬ決死の"オーラル・フェラ"は
"生"の極限であり、切なくも
美しく、儚い・・。

が、救われる(救済される)
側面もあり、読後感は
爽やかさを遺す
良著である。

これは文学か
そうじゃないかは読むひと
次第であろうが、
私個人的には
文学だって素直に感じました。

IT用語や医療語単語も多く
賞を取るだけの評価の難しい本だと
謂われてる要素もあるが、
過去の多くの受賞された書籍と
比較しても
ほとばしる日本語がたいそうに美しい。

著者の市川沙央は神奈川県
大和市在住の女性。

自分が勤務している会社が同県である為、
この本知ってるひとも会社に多かった。

作者である"彼女"の心の有様が
ほんとうにとても澄んで
いる様に感じられ、
久しぶりに
新鮮な読書できました。

普段、
猟奇ものなドキュメントや
"毒書"も多い昨今!心洗われた!

同性(女性)ファンも
多くつきそうな新鋭作家の
作品を心から賞賛したい!

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