“胸が引き裂かれる”ようなサウンド!!-“真空管”サウンドとは?!-【英国製】真空管コンプレッサー・マイク・プリ-DRAWMER 1960-ドローマー1960の魅力!! 【断捨離No.1】

世界には様々な
音響アウトボードや
エフェクターがスタジオを
埋め尽くしては
去ってゆきましたが、
その独特なサウンドで、
いつの時代も安定した人気を誇る
機材も少なからずあります。
ブリティッシュロックを初め
70年代サウンドを彷彿とさせる
英国製のマイクプリ、
真空管(バキュームチューブ)コンプレッサーとして
その確固たる地位を確立したと
いってもよい業務用機材の
ひとつに、英国製の
DRAWMER 1960があります。
デジタル時代においてのハイレゾ・
ハイファイ化し続ける渦中の現代、
DAW作業においてのモデリング
ではなかなか得ることの出来ないサウンド。

特に歌や楽器を収録する上で
"入り口"にこだわる方が
若い世代にも増えてきている状況下で、
強烈な個性のある音の出せる
アウトボードが再脚光を浴び初めています。
そんな魅力を踏襲したモデルが
今回紹介する"DRAWMER 1690"というモデルです。
昨年【断捨離】の
カテゴリを当サイトにて
設置したものの、
なかなか記事をアップ出来ずに
いました。昨今含めて
今後【断捨離】はシリーズ化
してゆく所存です。どうぞ
宜しくお願いいたします。
今回はその
記念すべき
【断捨離No.1】
第一弾のアイテムとなります。

日々スタジオワークを
なさっている方々は勿論の事、
音楽クリエーター並びに
オーディオに精通した方には
極めて有名な英国製drawmer社の
業務用マイクプリ&真空管コンプレッサー、
【DRAWMER 1960】を私はこの度、
ついに手放すことになりました。
つまり今回のアイテムは
品質が悪いもしくは
気にいらない
から手放したいモノとは
真逆です。私にとっての【断捨離】とは
優れたよい機材だからこそ、
手放すこともあります。
そういえばつい先日のことです。
"FMヨコハマ"から流れた
英国の世界的に著名な女性アーティストである
Adel=アデルの歌(WHEN WE WERE YOUNG)を
自動車のなかで聴いておりましたところ、
ふと出品中のこのDRAWMER 1960の
ソリッドステート部を経由した12AX7の
"サチュエーション"効果を彷彿しました。
本機のVUメーターは常時
レッドゾーン内で"振り切り"の
状態を維持することでまさに
"胸が引き裂かれるような
ヴォーカルサウンド"を
得る事も可能です。

今回、本機を
手放す過程で
製品本来の特性、ならびに
コンディションの精査しました処、
その詳細はかなりのものとなりました。
後述する内容は
たった一台の機材のレビューとしては
長文かと存じます。
これからの文章はつまり、
次のオーナー様へ
向けた機材のインプレ、
ヴィンティージ機材の
状態を述べた詳細となりますが、
こうしたやや
専門的な内容は本機の購入を
検討なさっている方にとって
少しは役に立って頂けるかも知れぬと
想い、ほぼ全文を校正し直し記事と致します。
"かつての"オーナーしか書けない、そんな
記事にしたい所存です。

この記事は
1960のオーナーであった
私からの機材の
評価レビューとなります。

まず私が永年所有していた
本製品は一部の箇所
(AUX入力部でのEベースやEギター入力での不良?
ではと感じる箇所が1点)、
を除きおおむね良好(ミント・コンディション)
を保ち続けていました。
不良と感じる1点は
ハイ・インピーダンス直結での
楽器使用において
・・?!が
残ることです。

上記欠点ヶ所は
製品の特性上、
永年所有していても
なかなか見落としがちな
機能でした。
日本語には
"帯に短し襷に長し"という
言葉がありますが・・・
この英国の
DRAWMER社の1960に関して述べれば、
"あちらを立てればこちらが立たず"と
その様に思ったことは
個人的には一度もなかった
"アウトボード"であると、そう
断言できそうです。
微弱なマイクのロー受けまでも、
を入力可能とし、幾多のゲインを
搭載しつつ、コンプレッサーとしても
逸脱で真空管を搭載している機種です。
(48Vファンタム電源供給の
コンデンサーマイクの使用は
本当に独特の"味"があります)
非凡で特化した
高級なアウトボードは
巷(世界)には幾らでもあります。
しかし、
drawmer社の1960は
私にとってどれもが70点以上を
堅牢に保持しようとする、
そんな頑な、な
"英国人気質"というものを
存分に感じさせてくれ、現代(現行)
を生き抜く、銘機であると
評価せざるを得ません。
<<本機材の
ハンドリングに
関して述べれば掲載する
当方が本出品を採用したリンク動画の通り、
2chを片手(左手のみ)でリアルタイム可変さえ
容易とする極めて優れたアウトボードです・・
つまり私は左手しか使っていません>>
はっきりとは
記憶しておりませんが、
15年以上前に
知人のベーシストから
個人購入しました。
(譲って貰った
理由は"扱い難い"から手放したい?
だったと記憶しています?w)
<実はこの箇所↑が
=ハイインピーダンスの
入力面において、
生産ラインでの
"初期不良"ロッドの可能性があります>
私がオーナーとなってからは
本機の外出は皆無で
自室で使用してきました。
(当方環境下では非喫煙環境、
年間に渡り湿度調整を施した
自室スタジオにて
ミドルアトランティック社の
樹脂製ワッシャータイプの
M5のラック用ネジ4本でラックマウント
し永年固定されたままだった)
この度、私が優れた
本機を手放す主たる理由は
音楽制作する時間が個人的に
とれなくなってしまったことです。
ご周知の通り、
私は"ユーチューバー"
ではありますが
本機を稼働する時間は近頃、
皆無と謂える程になりました。
動画編集するにあたり、
デジタル音声を一旦アナログ
経由(本機1960を経由)し
デジタル編集へ挿し戻す、
等という音声の味付け的な
活用法のみとなり、
本機は私にとってかなり
"オーバースペック"な機材と
判断した次第です。
巷では同機の
トップ・パネルが"シルバー色"の
1960の方が"黒パネル"(本出品製品となります)
よりも音質が優れているという話(噂?)が
ありますが、以前、何度か他の
レコーディング・スタジオにて
ラックマウントされた複数台の1960の完全な
ブラインド(盲目)視聴下においては、
少なくともこの私の聴感では
差異を如実に感じる違いを確認する
ことは出来ませんでした。
それよりも
初期型(現行品のツマミ底が黄色ではなく、
ポットツマミが"白線"のみの時代のもの)が
現行品とは"出音"が明らか違う様に
記憶しております。
"初期型"は現行品よりも
"野太く"荒々しい印象で、
尚且つ"扱い難く"、
"飽和"し易く、
現行品よりもいささか
"ノイジー"であった様に記憶しています。
(しかしいずれの世代の1960も100Vではなく
本来は昇圧トランスを利用すべきだと
感じさせる優れた銘機であることに
変わりません=あくまで国内販社
(ティアック社)を通じた
場合は自己責任となり得るでしょうか・・
リアパネルに110と表示されているとおり
内部トランス部は110V仕様でしょう)
Drawmer社に
限ったことでは
ありませんが、
日本円に換算したおよそ数多くの
30万円前後のビンテージ・アウトボード
に多く散見される弱点、
つまり機材の課題点は、
可変抵抗器の経年劣化、
即ち、ツマミ(ポット)類の
ガリ・ノイズに尽きます。
Drawmer社もまた
廉価品を含め
その典型例です。
この度"断捨離"をするに至り
時間を作り数週間の間
様々なチェックを
行った処、
従来永年において稼働時間が
極端に少ないこともあってか
ガリの生じる箇所があったものの、
それもテストを続け
使用してゆくうちに激減し、
ストレスは感じなくなりました。
しかしやはり
ガリノイズは総て皆無とは
なりませんでした。
Vintage機材の宿命の様な
ものと諦めています。
先に述べたように、
近年、稼働時間が
極めて少ない機材であったため、
改めて時間が赦す限り出来る限りの
ストレス・チェックを行いました。
結論として、
本出品する機材"1960"は
機能上、問題ありませんでした。
(先に述べました一部の箇所
AUXの"ハイ受け"に関する
課題点は除く)
今回の
チェック項目の内容は
以下が全てとなります。
以下
【有志の方に譲る前"断捨離"で
この度改めてストレス・チェックした箇所】
※AUXイン部
総て良好=各3つのトグル
スイッチ変化含む
(CDプレーヤー、リズムマシン等の
アナログ入力を含めその変化に問題なし)
【留意点】
AUXゲイン部ツマミ・
ハンドリング中総てのツマミと
比較して最もガリ・ノイズが
生じていると感じる。
【留意すべき重要点】
ハイ受けでは
エレキベース、
ギターを使用。この度
出品を機会に精査した結果、
初めて気がついた不良点。

ハイ・インピーダンスの
弦楽器等をD・Iを経由せず
本機に直接接続すると
"アース"が浮いたような
音になります(つまり出音が小さい)。
(1960は有識者の方々から、
この見落とされがちな
箇所においては、
入力端子間近における
アースラインに挿入されるべきコイル=22μH
が装着されていないロッド=型すらあるそうです。
単なる短絡もしくは他の固有パーツ部の
要修理ヶ所なのか、初期不良の基板であるのか
この辺りは当方は無学で理解不能。)
この入力において10年以上、
所有して全く気付かなかった箇所。
(奏者はD/Iなりプリ/アンプを通しライン入力
での制作がレコーディングの基本?
とも謂えなくもない)
※マイク部、
ダイナミックマイク、
及びファンタム電源供給に
おけるコンデンサーマイクの使用問題なし、
クリップ赤灯・両チャンネル点灯が可能。
※コンプレッサー部、
HPF(ハイパスフィルター)
OFF/50Hz/100Hzの3種類
変化良好、
ソース切り分け、
(AUX、LINE、MIC=Dynamic、
MIC=48v赤led点灯問題なし。

※スレッシェルド部、
ATTACK、
3種類(Fast、Medium、Slow)
総て変化あり問題なし。
※RELEASE部
6段階、
1→400m秒
2→1秒
3→2秒
4→4秒
5→オート(400m秒から2秒の間で信号に合わせて自動調整)
6→オート(200m秒から20秒の間で信号に合わせて自動調整)
各変化あり問題なし。
※Gain部、
聴感ならびにVUメーターにも
同期が取れ、変化が感じられ
特に問題等は見受けられず。
※サイドチェイン部
古いアナログ卓にて、
尚、古いデジタル・レコーダー
(FOSTEX FD8使用)にて
TPSフォーン3極→Y字ケーブル(各モノ)を用い簡易チェック。
プラ4(+4)db、-10db共に良好。
2CH分同時に独立した真空管コンプの効きを確認、
問題なし。
以上、
本機の機能上、
殆どのテストを行い、
気になる問題点はなし。
※VUメーター周りテスト・トーン使用含め、極めて良好。
※ステレオ・リンクスイッチ部異常なし。
外装(天板、底板を含め深い傷は
見当たらず小傷程度)
特に目立つダメージのない比較的
"ミントコンディション"であると判断。
この辺りはユーチューブチャンネルにて
トータル・コンプの使用した動画が多いですが、
本機を使用した過酷な?リアルタイムでの
ストレスチェックを行っている動画を
掲載します。
是非、以下↓
一度本出品製品を使用した
動画のライブラリを
視聴して頂けると幸いです。
6本の動画。
【アーカイブ】は↓からまとめて視聴可能です。
録音詳細は総て各YouTubeリンク内に記述しております。
その内容以下6本です。
★女性ボーカル(中島美嘉)の
ソース音源にてトータルコンプレッション
のストレスチェック(設定は【固定】)です。
★【AUX】入力のリアルタイム可変
本製品コンディションにおいて<<最も大事な箇所>>です。
★女性ボーカル(MISIA)の
ソース音源にてトータルコンプレッション
のストレスチェック(設定可変=主にバイパスとコンプレッション
及びHPFチェック)です。
★ブレイクビーツ系のソース(The Crystal Method)にて
トータルコンプレッションのストレスチェック(設定可変)です。
本機の真空管サウンドが顕著に録音されているかと存じます。
★本機でのコンプレッション前の
HPF(ハイパスフィルター)に
注力した、リアルタイム可変した動画(Daft Punk)です。
VUメーター振り切りの箇所、かなり過激なテストとなります。
★最後に男性ボーカル(ソロモンバーク)の
ソース音源にてトータルコンプレッション
のストレスチェック(設定可変)です。

そしてこの度、
所有してから初めて、
drawmer 1960のパネルを全開し、
あくまで目視ではありますが、
各パーツ類をチェックしました。

目視に依る
極めてイージーな
チェックではありましたが、
コンデンサー等の膨張
(俗的ですが妊娠?!の傾向or液漏れ)や
回路に不具合は見受けられなかった。

筐体を開け
気付いた事も
折角ですので記します。
↓画像は底部。

まず内部の真空管は
Edicron製(ECC83A)の
玉が挿さっていました。

カスタマイズされておらず、
オリジナルのままだと思われます。
VUメーターは外観上、
DRAWMER 社の刻印が記されて
おりますが、
当方がかねてから
予想していた通り、
メータは名門
SIFAM製のカスタマイズモデルでした。

搭載された
VUメーターは
SIFAM製の中では
比較的廉価なイメージ
を持ちましたが、本機の
メータは飾りものでは
なくセッティング次第に依っては
非常に鋭利に指針が反応します。

そして圧倒される
巨大なトロイダルトランス。

drawmer社の1960に対する
堅牢な"本気さ"が伺い知れる
トランス部です。

さらに上・下パネル部
を含むケース内には幾多の
平型のオス突起が見受けれました。

本機の本体(シャーシ部)への
アースポイントは
下(底)パネル部の
一箇所に設置された状態
ならびに左右側面パネル2箇所、
リアパネル部に一箇所、
(いずれも平型のメス端子によって着脱可能)でしたが、
スタジオ環境に依っては設置使用の際
ノイズが生じる場合等、
回路に詳しい方ならば
グラインド強化を施す設計になっている
様にも見受けられました。
また気になったのは、
本製品の
各回路部品の何カ所かに
まるで"印"のように
"ホットボンド"が
使用(点在)されている点でした。

初期製造段階での
最中チェックで用いた
ものなのか・・
それとも後年になって
修理された箇所の
マーキングの為なのか・・
なんとなく?ですが、
製造後にモディファイ(修理)された箇所では?
と当方は咄嗟に感じられました。
(前オーナーとは疎遠になってしまった為、
修理をしたか否かは確かめる術がございません、
また保証書も見つけることが出来ませんでした。
その点もご了承願います)
パネル上面には
日本製代理店の
TEACのシールが貼られています。
(次のオーナー様の為にシリアルはマスキングしております)

今後のメンテナンスは行える筈です。
シリアル番号に沿った
修理履歴(D.B=データベース)があるとすれば、
日本代理店であるティアック社に
モディファイ依頼したデータは
遺されているかもしれません。
https://tascam.jp/jp/product/1960/top
本国であるイギリスに日本にある
本製品をわざわざ修理依頼する
のは現実的ではないと思われるからです。
余談になりますが、本機は
スタジオでの利用だけに留まらず、
コンサート・ライブでの魅力的な
利用が可能です。
例えば、
当方は未使用でしたが、
"弾き語り"に利用すれば、
お好きなコンデンサーマイクの使用と
楽器の併用が可能です。

完全に独立した2系統のVacuum
出力経路を得る事が可能です。
日本語マニュアルにも面白いことが
記載されています。
以下↓マニュアルからの引用です。
-----------
"AUX入力をマイク入力と同時使用する場合、
同じエンベローブを共有することとなる
チューブ・アンプ段におけるクロストローク
を最小に抑える為に、マイク入力を上側の
チェンネルで、そしてAUX入力を下側のチャンネル
でプロセスするようにしてください。"
------------
と記されております。
簡単に
ミュージシャン側から
チューブ・サウンドをライブで
コントロール出来、
ライブ会場を統率する
P.Aエンジニアには
本機に繋いだ2系統のケーブルを渡し
センター出しして欲しいと伝える
だけでチューブ・サウンドと
魅力ある"ビジュアル"性(コンデンサーマイク
使用の弾き語り等)含め、
演出出来ることと思います。
因みにAUX入力は
スタジオ・エンジニアの方
で未使用な方がたくさんおられますが、
フロントにあるジャック挿入口に挿せば
"歪み"を簡単に得ることが可能です。
(本出品する1960はエレキギター等の
直接挿しは何か変!ですが、予めDI等
コンパクトエフェクターを繋いでの使用で
あれば問題ありません。
アコギ等のプリアンプや
電子ピアノ等もまた
何の問題もありません。
オーバードライブ系のエフェクターを探すよりも
簡単に歪みを得ることができます。この箇所は
多用する方と全く利用しない方とに極端に
分かれた機能でしょう。
余談となりますが、
既にオーナー(drawmer 1960)の間で国内外で
物議=語られ続けていた?
ひとつの課題がありました。
それはソリッドステート部を経由した
マイク入力は果たして
真空管は通っているのか?!
という問いでした。
あくまで当方の見解では
日本語マニュアルでの
サーキット(回路図)含め、
英語マニュアル記載のルーチン(回路図)
においても、
また当方の聴感上においても、
本製品であるdrawmer 1960は
必ず"真空管"の洗礼を受けるように
設計がなされていると"解釈"しています。
↓これが日本語Manualと英語版のManualの
回路図です。赤く丸印を付けたのは私です。


ハイブリット・ソリッドステート部である
マイクプリ部であれ、
12AX7の球の真空内を貫通します。
(サイドチェーンに限っては
"12AU7"の真空のみを貫通します)
こうした議論を
総括すれば、
たとえコンプ部を
バイパスしても
12AX7の真空(管)を
必ず通過するということとなります。

アナログアウトボード・ビンテージの
真空管機ならではの魅力が欲しい
初めての方、

そして多くの真空管機材を
所有なさっていて
本機内部の管球交換
(ムラード等で1960は激変
するとされています)
等、強い興味を抱いている方
にもお勧めいたします。
是非この機会に
所有検討してみては
いかがでしょうか?!
WEB通販においては
業務機材ならびに高価な
製品ですので堅実な
販売店を選択すべきです。
そうなると
サウンドハウスしか
ない、と当方は考えます。