“未完”成-50年(半世紀)前の”12弦ギター”-“YAMAHA製ビンテージ”-FG-260(グリーンラベル)のモディファイ(リペア)の過去履歴

もう何十年も前に友人から頂いた
1971年製のYAMAHAの12弦のアコースティックギターがあります。
弦を支えるオリジナルの"サドル"部分が紛失しており,一度も演奏できずにいました。
1971年製というと・・もう半世紀(50年)も昔の代物。
数年前に,一度は音が出るように自力で"モディファイ"しました。
時間を掛けて半年間,修理しましたが,結果として現在も"挫折"した状態です。
一度は"完成"させたものの,どうしても弦高が高すぎて,もう一度サドル部とナット部の成形に取り組みました。
しかし結果としてはさらに状況が悪くなり"四面楚歌"の状態に陥りましたw。
私はプロのリペアマンではありません。
6弦のアコースティックギターでさえ修復するのが厳しい何十年も前の古いギターはたくさんあると思います。
特に※"トラスロッド調整"の効かない,クラッシックギター(ガットギター)は弦高が高すぎて,家のオブジェになっていたり,物置にしまわれている事が多いのではないかと思います。
またこの記事は古い写真と原稿を元に書かれいます。

この文章は初心者でもご理解頂けるよう(これから初めてギターを購入しようと考えている
方にも読んで頂けるよう)に校正し直されています。
またとても古い改造履歴です,記載内容は更新してゆきます。

↑一度は完成した状態

まず,最初に取りかかったのはオリジナルのサドルが紛失していたので,牛骨製のサドルを成形しました。
面白いのですが,牛の骨を削った事のある方はご存じかと思いますが,削っている最中,
本当に牛の匂い(乳製品=牛乳)の匂いがしてくるんですよ!
↓当時2回使用した未加工の部品が出てきましたので掲載します。
左側が"サドル"右がヘッド部の"ナット"部です。

↑ヤスリで削り,高さを調整した後のサドル部です。ピエゾ素子を底に装着する為にかなり削り落としました

↑純正のエンド・ピンです。黒い色をした樹脂製でした。
※エンドピンとは・・ストラップで肩から提げる為に使用する部分です。
↓純正品が気に入らなかったので外して,ここにピエゾ素子の出力を兼ねたエンドピンを挿す為に穴を開けました。 マスキングテープを貼らずに"ガムテープ"で周囲を養正した様子です。(何㎜の穴を開けたかのか履歴にありません。判り次第,加筆いたします)木工用のドリルで胴体に対して水平に穴を貫通させます。
この部分は胴体の内部で強化されており
※エンドブロックという材木があるので穴開けには時間が掛ります。あなたが所有するギターのエンドピン加工を初めてやられる方がおられたら"一発勝負"となりますので慎重に行って下さい。

↑プロフェッショナルの方の引用画像です。
見た目でも分る様に右下のエンドピン部分に堅い木のブロックが見えます。
これがエンドブロックです。
↑穴は既に貫通し終わった画像の様子
↑この画像もプロのリペア画像。ボディの損傷を防ぐ為に,外部からはあえて穴経の小さいサイズで穴を掘る。日本語では"寸止め"といってこれは日本の武道"空手"と同義です。プロは胴体の内部のドリル先端で開けた傷を探り,
内部からハンドトリマーにて穴を貫通させます。

↑左側がエンド・ピンの役割をする部分です。 これはピエゾ素子のいわゆる"アンプ"=増幅回路です。
こうした物をナットとワッシャーでギター本体を固定する訳です。
このセッティングが私個人的には"大の苦手"ですw。
けれど,プレイアビリティにおいて1番大事な部分でもあります。
ギターの音の出口になりますのでライブにおいてもセッティングは非常に重要な箇所です。

↑余談が多いのを止めようと思っているのですが,気になった記事があって掲載させて下さい。↑の図ですが,アコースティックギターの振動を高める為のエンドブロック部分の近年の加工技術のひとつです。
↓本題に戻ります。次はフレットの交換です。

↑抜き出した純正部品(番号は各フレットポジション番号)
↑純正部品。トラスロッド(ネックの中の鉄芯)を隠すための"ロッド・カバー"

↑は切断する前のフレットワイヤーと呼ばれるものです。これを切断して全てのフレットに"叩き込む"のです。
↓手書きのワイヤーのおよその側面図です。

↑これはWEBからの引用。1番多いのがこの後期型である台湾製。1970年初頭のモデルは完全な日本製と記憶している

知人から頂いたFG-260のフレットの"残り"は僅か1.2割でした。
ヤスリ掛けをしたというよりも完全に自然な摩耗という感じがしました。
相当に弾き込んで"このギターを愛した方"が過去にいた筈です。
友人が所有する前のオーナーはどんな方で一体何人いたのでしょう。
そんなことをふと考えてしまう程まで一部のフレットがすり減っていました。

↓装着されていた"フレット"を抜く作業ですが,専用の治具が無いため,私は以下のようなものを使用しました。

↑新しいフレットを叩いて挿入し終わった状態
但しこれはナット部に"木工用のパテ"が挿入されているので2度目のモディファイの画像と思われる
↑ヤスリで成形した直後と思われる。
↑ナットとロッドカバーを撤去した状態(ナットの底部を観る限り半世紀近く経った材木である事が分る)

↑履歴にもなくて今の私の記憶がおぼろげで恐縮です。
多分フレットの脱着と新しいナットの成形は同時進行で行っていたのかも知れません。
(この画像は1回目の時です)
↑は純正ナットを剥がしてヤスリで削った状態です。
↓は何度目かは定かではありませんが,ナットを成形後,"タイトボンド"で接着し固定している最中だと思われます。ナットを"クランプ"によって固定する前の段階の画像と思われます。

↑ようやく見つかった画像です。2度目のモディファイの時の画像です。ナット部を削り過ぎた為に,木工用のパテで土台を成形し,ヤスリで平行に削ってその上にナットを乗せたのですが,"音"が完全に"死"にましたw。
無駄な箇所は出来る限り除去したつもりでしたが,素材に"粘度"があると思われます。もっと硬化するものがあるのか,パテの素材が悪質であったのか,パテは音に通用しないのか・・今も分りません。
弦の振動がパテの素材で吸収してしまうのか?
堅い木材で養正した方が良い結果が生まれると思います。それ以上に大事なのは良い"ナット"を見つけてギターに見合った高さ調整をする事が大事であると痛感しました。削り過ぎてしまって低くなってしまったナットもサドルもいさぎよく棄ててしまう事です。部品を壊したからといって"誰かが怪我をする"訳ではありません。
"後悔と執着"は時間の無駄に終わります。"失敗"は"ナレッジ"と"スキル"の向上へシフトします。
これは金の無駄遣いではありません。

↑本当に凄いなと思うのはマシンヘッド部です。50年近く経過しても何の問題もない事です。
弦の張り方に注目!かなりいい加減な張り方をしています。何十回も緩め弦を張り替えて疲れてしまっていたのか
↑1度目の修理の画像

↑WEBからの画像を引用させて頂きます。問題は実はこれだけです。極端な図ですが,つまりネックの反りが酷すぎて私の様な者にとってはまともに"押えられない"のです。それを出来る限りネックをフラットにして弾きやすくしたいため,2度モディファイを行いましたが,満足のゆく結果にはなりませんでした。特に2度目はその弾き難さを補う為にナットを削り過ぎてしまい,音が詰まってしまい,
さらにパテで土台を成形したために完全に失敗に終わりました。
例えば6弦張っているアコースティックギター(鉄弦)のレギュラー・チューニング場合は常に60㎏位の負荷がギター本体に掛っています。60㎏というとだいたい成人男性の奥歯の思い切り噛んだ位の強さです。12弦ギターの場合は副弦含めて12本分なのでそんなものではありません。放置しているとどんどんネックが沿ってゆきます。
ですから12弦ギターを所有している方で大事にされている方は,非常にデリケートである楽器である事を熟知しています。半音ドロップさせておくか,細い弦を使用する,
メインテナンスにおいては6弦より遙かにシビアでタイトです。
↓の画像も引用させて頂くものですが,図解で誰でもご理解頂けると思います。ある意味,ギターという存在は元々,幾多の問題点="障害"があります。
例えば他の楽器,誰もがご存じの"ピアノ"に比べたら,障害だらけの"存在"です。↓のようにネックだけでもコンディションが狂う為に,素晴らしかった楽器が一気に"粗大ゴミ"になる可能性が常にある存在です。
チューニングにおいても全ての弦が完全に調律される事は稀でしょう。3弦の本体に与える負荷ダメージは他の弦に比べ相当なものです。元々,完璧ではない楽器です。だから素晴らしいのはないかと思っています。
トラスロッドと呼ばれる鉄芯がアコースティックギターにもエレキギターにもベースにも挿入されていますが(安いものによっては無いものもかなりある)それを時計回り,もしくは逆に回して反りを調整する事があります。しかし,これは私はギターリストではないので間違った解釈であるかも知れませんが,この治療に頼ってはいけません。これは私にとっては,あくまで"対処療法"と考えています。
人間がカゼをひいたからカゼ薬を飲む,カゼが直ったから薬飲むのをやめた,その程度のものです。

"カゼ薬"のような処方では治療が無理な極端なネックの反りにたいし,どうするか。
"ネックアイロン"というリペアの最後の手段があります。
有志の方の画像引用,プロフェッショナルの方の画像引用となります。
つまり熱で強制的にネックの反りをフラットに"矯正"するのです。
この手法に関しても,賛否両論があります。プロフェッショナルの方でも一時凌ぎでしかないと考える方は大勢います。効果はあるが,一過性に過ぎないというデータがあります。私もそれは正しいのかも知れないと思います。
ただ自分の経験で見聞はしていません。
"木"という存在は大地を離れても"その時期"の
"永かった頃の状態"にいつでも戻ろうという"性質"がある為だと私は邪推しています。
これは60年間,"建具職人"であった実の父から教えて頂いた"人間の力の到底及ばぬ領域"のTIPSのひとつです。

↑有志の方の画像引用-自力にてギターの"温熱療法"=ネックアイロンを施しています。凄いです。
↑同じ有志の方の画像引用-究極のD.I.Yと云える-要所を押えしっかりクランプされている。

しかし,いずれ私もFG-260にたいして"ネックアイロン"を施すかも知れません。
自分はせっかちな性格があって,ほんとは500℃くらいの熱風の"ヒートガン"で一気に処理してみたいという思いもあるのですが,WEB上そんなやり方で成功した方って誰1人も居ませんねw。
↓ネックアイロンは市販されています。これはさすがに・・余程のマニアかプロ用です。

自家製ネックアイロンでの修理は・・犠牲者が何台か出るかと思います。
クラッシックギターで弦高が高いのが何台かあるので試しに使用されるかと思われます。
是非,記事にて"見届けて"頂けたら光栄です。

最後に。
何故,このYAMAHAのグリーンラベルモデルの1971年製,
この記事の12弦ギターであるFG-260に私が"固執"しているかについてです。
今ジャンク品でオークションで売れば,日本円で数千円でしょう。いや千円でも引っ掛からないかな。
日本市場では現在コンディションの良いものは5万円以上で落札されている様子です。
勿論。金銭の問題ではありません。
ひとつは,1番大事なのは友人から頂いたものである事。
次に,1度目に修理して弦を張って音を出した時,
ギターのボディから伝わってくる振動で"内蔵"の奥まで震えました。
ベーシストで良いベースを弾くと弦の振動が躰の奥まで響いてきますよね。そんな感じです。
真新しいギター2.3台で同時に演奏しても,
このギター1本の方が良いと感じるひとは多いだろう・・そんな風に感じました。
演奏は・・ネックが反っているので,ローコードで色々試してみました。
日本語で・・"鈴鳴り"とか"激鳴り"という表現があります。後日うまく英語で表現できるといいのですが・・。
その意味を体感しました。圧倒されました。Eメジャー,Gメジャー,Cでも開放弦を多用して色々鳴らしてみました。暗いのも切ないのもストロークしてみました。Aコードの開放弦の多用。Aadd9や・・スライドしてどんどん上げてゆくとさすがに,ゴリラかチンパンジーとか500㎏位握力ある動物でないとこれは太刀打ち出来ないと感じてまた下がって,音の響きを"試し"=テストしてみました。ふいに"涙"が溢れてこぼれ落ちてきました。
"トンデモナイもの"に触れてしまっているという実感でした。
咄嗟に誰なんだ?こんなギターに育てたひとは・・って思った。
友人は・・前のオーナーに関しては多くは語ってくれませんでした。

【追記】
純正のエンドピンを外し,ドリルで穴開け加工をしたのは前述しました。それに伴いサドル直下のピエゾ素子を装着する為ボディ右側(1弦側)に4mmの穴を開けた。"安かろう悪かろう"ではなくて,ピエゾ素子自体の感度が良い事が重要だと思います。増幅回路はまた別の課題です。また商品によっては薄い透明の皮膜が張られているいる素子もあります。そうした無駄なものは一切剥がした方がいいと思います。
↓以下現在所有する在庫のピエゾ素子。左側がクラッシックギター用。右側がアコギ用です。12弦ギターは長さのあるものが多いので注意が必要です。

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