“戦慄の書”!!-“秘伝”!!-“截拳道への道”!!-ブルース・リー”李小龍”著-幻の絶版本を手にして!!

2021年2月9日夜。
一冊の書が届いた。

私は今、
戦慄に近い感動を受けています。

この感動をどう言葉でお伝えしたらよいのでしょう。

表現は下手くそですが、
なんというか・・何年もの間ずっと我慢してきた
すごいタイプの女性とついに!全裸でベットインして
愛しあえる時の感動・・とでもいったら
良いでしょうかね?・・読者である"あなた"がGuy=男性だったらなんとなく
私のこの感動がただ事ではないと納得して頂けるでしょうか?

封筒の中身は・・今から45年前に発刊された

秘伝截拳道への道 (1976年)-古書-1976/1/1(昭和51年)
ブルース・リー (著), 風間 健 (翻訳), 灰田 匡江 (翻訳)

・・である。

永年、有志達の競売で破れ続けた、
生涯一度も手に入れたことのない書籍です。

先日もわずかの差額で、
競売に破れたばかりでした。
いつも競売に破れて思っていましたが、
悔しいと思ったことは一度もありませんでした。
私よりも遙かに強い思いのある有志の方がいるのだと思うと、
所有欲が薄れ、その本には"縁"が自分にはないのだと思っていました。

しかし長年の祈願叶い、
この度、ご縁あり、
茨城県の古書店にて私は
"破格"で購入するチャンスに恵まれました。

ネットバンク経由にて入金処理も終え、今、
お礼のメールを本屋のご主人に送りました。

その本は、想像以上に、崇高で
あまりにも、美しすぎていた!!

"秘伝・截拳道(せっけんどう)への道 (1976年)”は版元に許可をとらずに出版された、
いわゆる曰く付きの海賊版です。

出版当時の事情などは当時、少年だった私は
知るよしもありません。

後になってからの個人的に入手した情報があります。

この書籍は一般書店では販売出来ず、
当時、通信販売に頼ったとされています。

今回の私が入手したハードカバータイプのものの他には、
ソフトカバータイプのものがあるとされています。
また他には有志による、スキャン化で同人誌的な幻の
複製タイプのものもあるとされ、掲載画像はいささか
乱れているともされています。世にあるものはつまり、
合計3種類といえそうです。

原著は世界中でベストセラーにもなっている、
"Tao of Jeet Kune Do"の日本語和訳の海賊版といったところです。

"Tao of Jeet Kune Do"を原著の英語で読める方であれば
電子書籍で安い値段で読むことが可能です。

1976年からだいぶ後年の1997年に
版元の許可を得ている正式な日本語版が出版(出版社=キネマ旬報社)されています。

"Tao of Jeet Kune Do"の日本語版のタイトルは
"截拳道(ジークンドー)への道"-です。
ブルースリー (著),奥田 祐士 (翻訳)。
この書籍も現在、入手は困難で中古価格は高価です。

ようやく長年の月日を経て入手した
"秘伝截拳道への道 (1976年)”ですが、郵送
厚紙の封筒を開梱するのも緊張するほどでした。

まだ風邪が治っていないというのもあって、
マスク着用、手袋着用、メガネをかけて和室にて
届いた本を手にしました。
本記事に掲載するための画像撮影のため、
カメラに電源を入れ、
まるで美術品の鑑定でも
するかのような面持ちです。

書籍は薄手のビニールでしっかりと
シュリンク(shrink)されていました。

本にミステイクがない様に慎重に剥がしてゆきました。

すると途端に悪臭がマスク越しに匂いました。
良い匂いではありません。カビの臭いのかと思いましたが、
どうも違います。独特な臭気というか、納屋や倉庫の匂いか、
兎に角湿気を帯びた見知らぬ"部屋独特の臭い"です。

良い匂いではありませんでしたが、もう何年もの間、外気を
吸っていなかったような、パンドラの箱を開けたような気分
にさせられる、そんな古い古代を感じさせるような臭いでした。

ビニールを開けると
今度は透明の割と厚手の透明カバーが本の表紙を覆っていました。
なるほど、この表紙の美しさを保つために経年劣化を可能なだけ下げる為に
ずっとカバーされていたのです!表紙の帯まで状態を保っています!

これは清掃のために、急に剥がすとまずいな、ととっさに考えました。
長年ものあいだ、本の印刷面とカバーが固着しているとプサンエステル系の
ビニール皮膜と表紙の印刷塗料が反応を起こしている可能性が大で、
無理に剥がせば、びりびりに表紙が引き裂かれてしまうかもしれないなと、
経験から察しました。

本のページを慎重に手袋をはめながらめくってゆきます!

最初から読むつもりなど毛頭ありません。
ただ、本を眺めているだけです。

見慣れたイラストが随所に現れてきます。
どの章を日本語で解説しているかすぐにわかります。
英語の原著は何度も読んできているからです。

噂ではこの海賊版は誤訳が多いと聞いていましたが、
日本語はとても美しいものばかりです。
ただ、精読し原著と比較してゆけば、多々誤訳に
遭遇するのかもしれません。

シャッターを押すときも、
本の頁をめくっている時も、
両方の手が小刻みに震えてきたのがわかりました。

深く感動していました!

正直、深く愛する女性と
全身全霊で深く接しているかの様に!!

総てのページは完璧に保たれていました!
シミや一点の汚れひとつありません。折れも曲がりも
何ひとつとして微塵もない!!

ただ、ひとつ不思議な箇所があって、
文字に赤丸がしている頁が一カ所だけありました。
すぐにこの部分は消すのは止そうと判断しました。

今から45年前の本です。
そしてこの書籍は海賊版です。

どれだけこの書籍が大事に扱われ続けてきたのだろうかと
思うとまた違う感動が沸き上がってきました!

おそらく、この本の所有者だった人数は限られています。

読み回されていません。ひとりか・・もしくは二人。
その後はずっと古書店の
たまたま識者の目に留まらずに
目立たぬ場所に置き去りにされて
いたのかもしれません。

私は多くの本を所有しているので、判ります。
本というのは材質上、多くのひとの手に渡ると
大事に扱っても汚れ、それなりのダメージを受けるものです。

書籍は絵画や美術工芸品のように眺めるものとは違います。
ひとが手にして読むからです。読めば読むほどにそれなりに
汚れてゆきます。

咄嗟に、この本のオーナーだった方は
もう既に亡くなっているかもな、と思いを馳せました。

故人の蔵書が整理されると極めて状態の良い貴重(稀少)本が古書店に
現れることが屡々あるからです。

私の所有する本の中でも最重要書籍の一冊として、
ずっと大事にしてゆこうと即決しました!

この本は寝そべって読んだり、何か飲食しながら読むなんて
御法度です。襟を正して読むというものにふさわしい、
と感じました。

"老後の楽しみ"に密かにとっておいた"やること"で、
"先生"の"基本中国拳法"(102総頁数)と先述した
"Tao of Jeet Kune Do"(213総頁数)の
原著の英文の全文完全和訳があります。

既に和訳で出版はされている"先生"の生前の唯一の2つの著書ですが、
私としては、満足していません。

プロフェッショナルの翻訳家をさしおいて、
アマチュアの私が今更ながら
和訳したところで進歩発展があるかどうか分かりませんが、
いずれ必ず、全文を翻訳し、本サイトに無償で
アップするのが夢のひとつです。

非常に高度な格闘技術は言うに及ばず、
"先生"の原著は含蓄(深い意味がひそんでいること)の英文で、凄みがあります。
ようは翻訳者泣かせです。

そういった意味でも私自身、
海賊版の秘伝截拳道への道 (1976年)を手に入れたことは
私の翻訳にたいする意欲と動機付けをさらに高めてくれることは間違いないでしょう。

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